『持続化給付金』は、新型コロナ感染症の影響により急減した中小企業や個人事業主に政府が給付している制度です。
今回は、個人事業主(フリーランス)の要件・計算方法・申請方法を解説します。
持続化給付金を受け取れる条件
新型コロナウイルス感染症の影響により、売り上げが前年同月比で50%以上減少していること。
給付金の給付額は、100万円を超えない範囲で、2019年の年間事業収入から、対象月の月間事業収入に12を乗じて得た金額を差し引いたものとします。
1月~12月の内、ひと月でも半減の月があれば該当する。
減少した月については、事業者が選択できる。
給付額の算出方法
■給付額の算定式
S:給付額(上限100万円)
A:2019年の年間事業収入
B:対象月の月間事業収入
S=A-B×12
【青色申告の場合】
給付金額の算定例①
2019年の年間事業収入 | 300万円 |
---|---|
2019年の4月の月間事業収入 | 30万円 |
2020年4月の月間事業収入 | 13万円 (前年同月比で50%以上減少しているため給付対象) |
算定式(A-B×12=S) | 300万円-13万円×12=144万円>100万円(上限額) |
給付額 | 100万円 |
※ただし、青色申告を行っている者であって、
①所得税青色申告決算を提出しない者(任意)
②所得税青色申告決算書に月間事業収入の記載がない者
③相当の事由により当該書類を提出できない者
は、次項の白色申告を行っている者等と同様に、2019年の月平均の事業収入と対象月の月間事業収入を比較することとする。
【白色申告の場合】
給付金額の算定例②
2019年の年間事業収入 | 300万円 |
---|---|
2019年の月平均の事業収入 | 300万円/12=25万円 |
2020年4月の月間事業収入 | 10万円 (前年同月比で50%以上減少しているため給付対象) |
算定式(A-B×12=S) | 300万円-10万円×12=180万円>100万円(上限額) |
給付額 | 100万円 |
“経済産業省『持続化給付金ホームページ』より”
特例
新規開業特例(2019年1月から12月までの間に開業した者に対する特例)
2019年1月から12月末までに新規開業した事業者は、下記の適用条件を満たし、かつ新規開業を確認できる書類を提出する場合に限り、特例の適用を選択することができます。(④又は④’を追加提出してください。)
■適用条件
2020年の対象月の月間収入が、2019年の月平均の事業収入より50%以上減少している場合。
■給付額の算定式
S:給付額(上限100万円)
A:2019年の年間事業収入
M:2019年の開業後月数(開業した月は、操業日数にかかわらず、1か月とみなす)
B:対象月の月間事業収入
S=A ÷ M×12-B×12
■算定例
2019年10月に開業 2020年3月を対象月とした場合
P( 2019年の総事業収入)= 30 + 40 + 50 = 120万円
M( 2019年の開業月数) = 3か月
B( 2020年の対象月の事業収入)= 20万円
120 ÷ 3 × 12 - 20 ×12= 240 > 100万円(上限額)
給付額100万円
季節性収入特例(月当たりの事業収入の変動が大きい者に対する特例)
収入に季節性がある場合など、特定期間の事業収入が年間事業収入の大部分を占める事業者については、下記の適用条件①・②の両方を満たす場合、特例の適用を選択することができます。
- ただし、青色申告決算書を提出しており、月次の事業収入が記載されている場合のみ、この特例を選択することができます。
適用条件①:少なくとも2020年の任意の1か月を含む連続した3か月(対象期間)の事業収入の合計が、前年同期間の3ヶ月(以下「基準期間」という)の事業収入の合計と比べて50%以上減少していること。
適用条件②:基準期間の事業収入の合計が2019年の年間事業収入の50%以上を占めること。ただし、基準期間が2018年にまたがる場合においても、基準期間の事業収入の合計が2019年の年間事業収入の50%以上を占めること。
- 対象期間の終了月は2020年12月以前とする。
■給付額の算定式
S:給付額(上限100万円)
A:基準期間の合計事業収入
B:対象期間の合計事業収入
S=A-B
■算定例
毎年3月頃に収入が大きい者の場合
(通常の計算式を用いると、500-100×12 < 0となり給付額はゼロ。)
特例を適用すると
500万円(基準期間事業収入) - 200万円(対象期間事業収入) = 300万円
300万円> 100万円(上限額)
給付額 100万円
“経済産業省『持続化給付金ホームページ』より”
申請方法
申請方法は基本的にはオンライン申請になっています。
パソコンだけでなく、スマホでの申請も可能です。
オンライン申請が難しい場合は、申請サポート会場を事前予約したうえで利用することができます。
【必要書類】
①2019年確定申告書の控え
(青色申告の場合)
・確定申告書第一表の控え
・所得税青色申告決算書の控え
(白色申告の場合)
・確定申告書第一表の控え
※収受日付印が押されている必要があります
e-taxで申請された場合、手続き時のメール受信通知を一緒に提出する必要があります
②売上減少となった月の売上台帳の写し
手書きの売上台帳でも経理ソフト等のデータやエクセルデータでも可能
③通帳の写し
給付金の振り込む先になる口座の通帳の写しです。
表紙と1ページ目が必要です。
ネット銀行など紙の通帳がない場合、電子通帳等の画面を画像を提出する。
④身分証明書の写し
本人確認の書類です。
運転免許証や個人番号カードなど、申請を行う月において有効なものに限り、記載された住所が申請時に登録する住所と同一のものです。
以上の必要書類を用意し、スキャンや撮影などしてデータ化しておきましょう
※書類は必要ありませんが入力項目がありますので、手元に用意して下さい。
・2019年の事業収入
・2019年対象月の月間収入
申請期間
申請期間は2020年5月1日から2021年1月15日までです。
(電子申請の締め切りは2021年1月15日24時まで)
〈持続化給付金 ホームページ〉
こちらから申請可能です
〈申請サポート会場 検索〉
最寄りの申請会場を検索・予約できます
持続化給付金事業コールセンター
受付時間:8時30分~19時00分
(5月6月は毎日、7月~12月は土曜日を除く)
直通番号:0120-115-570
IP電話専用回線:03-6831-0613
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