コロナウイルスの感染の広がりに、不安に思う方も多いのではないでしょうか。
しっかり手洗いうがいを徹底して対策はしていますが、一日も早い終息を願うばかりです。
今回は、病気やケガで働けなくなった時の保障を紹介したいと思います。
事前に確認できていれば、もしもの時でも安心ですよね。
傷病手当
会社員の方が加入している社会保険によって、保障を受けられる制度です。
業務外での病気やケガの療養のため、仕事に就くことができない場合に受けられます。
連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けない状態で、その期間の給料の支払いがないことが要件です。
病気で1週間働けなかった場合 | ||||||
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1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 | 7日目 |
⇦ 待機期間 ⇨ | ⇦ 支給期間 ⇨ |
支給期間は、開始日から最長1年6ヵ月です。
傷病手当の支給額は、標準報酬日額の2/3が1日当たりの傷病手当として支給されます。
標準報酬とは、健康保険料を決める基準となる1か月の報酬で、実際もらう給与額によって50等級の区分があります。
おおよその金額を計算するなら、給与の月額÷30×2/3で1日当たりの受給額を計算できます。
傷病手当受給期間に、給与の支払いがあれば受給できませんが、支払われた給与の日額が傷病手当の日額よりも少ない場合は、差額分が受給できます。
つまり給与の支払いがあったとしても少なければ調整され、本来の傷病手当額を受給できます。
その他に、労災保険の休業補償給付や出産手当金などを受給されていれば、傷病手当の給付額が調整されます。
傷病手当受給中の注意点
【社会保険料の支払い】
傷病手当を受給して休職していたとしても、社会保険料の支払いはしなくてはなりません。
給料をもらっていなくても、健康保険の被保険者ですので、健康保険料と厚生年金保険料の支払いが必要になります。
【住民税の支払い】
傷病手当で受給したお金は、非課税なので所得は0になります。
しかし住民税は、前年度の所得に対する税金を翌年に払う仕組みになっているので、現在の所得は0だとしても住民税の支払いは必要となります。
労災保険
業務中の病気やケガについては、労災保険を利用することができます。
労災といえば、業務中にケガをしたときに治療費をもらえると思われている方も多いと思いますが、療養のため働けなくなってしまった時は、休業補償給付を受けることができます。
傷病手当と同様、連続して3日間は待機期間となり、4日目以降から支給開始となります。
休業補償給付の支給額は、給付基礎日額の60%が、1日当たりの金額として支給されます。
給付基礎日額は、受給開始以前の3か月の給与を日数(出勤日数ではなく、暦の日数)で割った金額です。
例
給付基礎日額計算方法 | ||
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1か月目 | 31日 | 250,000円 |
2か月目 | 30日 | 250,000円 |
3か月目 | 31日 | 265,000円 |
合計 | 92日 | 765,000円 |
765,000円 ÷ 92日 = 8315.21 |
公的保障以外にも
傷病手当・労災保険などは公的保障制度になりますが、会社員の方は勤務先の会社の福利厚生などにより、その他にも受けれる保障がある場合があります。
内容は、会社によって変わってきますので、一度確認してみましょう。
自営業・個人事業主の方
国民健康保険には、傷病手当金の制度はありません。
労災保険も事業主は労働者とみなされないので、対象となりません。
ただし、中小企業事業主や一人親方など特別加入できる方も一部いらっしゃいます。
また、土木関係や医者などの同業種での、国民健康保険組合に加入している方は、組合によって傷病手当などを受けれる場合もあります。
傷病手当や労災などを受けれない場合は、働けなくなった時に無収入になってしまいます。
特にお子さんがいる場合は、その期間だけでも手厚く保障の備えをしておく必要があります。
所得保障
生命保険会社や損害保険会社で、『所得補償保険』や『就業不能保険』という商品があります。
60歳や65歳までを保険期間とする長期タイプと1~5年程度の短期タイプがあります。
ただしこちらは、病気やケガで長期間働けない状態に保障されるため、数日間の休業は補償されないものがほとんどです。
また、自然災害が原因となるケガによる就業不能状態においても、対象外になります。
傷害保険や医療保険に加入していれば、治療費や入院費はカバーできても、長引けば収入も減るもしくは0になり、生活費に困ります。
会社員の方でもお子さんがいる場合や、貯金がおよそ生活費の半年分ない、もしくは200万円以下の方。
住宅ローンや車のローンなどの支払いが多い方も、休業中でも支払い続けないといけません。
また自営業や個人事業主で傷病手当や労災を受けれない方も、検討してみるといいと思います。
ちなみに、保険会社には収入保障保険というものがあります。
こちらはご自身が亡くなったとき、または高度障害になった時に、受け取ることになる死亡保障の一種です。
所得補償とは目的が全く違うものになりますので、注意して下さい。
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